旅立ちの時のタカラ袋

人間は時の流れを変えることができない。

すべての人の願いを叶えることは不可能な時の流れ。

すべての人は時の流れに従順にならざるを得ない。

人生の終わりの時、気がついたら何も手に持っていなかったとわかる人。

すべてを経験し、すべてを所有したと満足に思う人。

傍目にはカラダ一つでこの世を去る。

そのカラダ一つに多くを入れる。人の形の中に色々のものを詰め込む。

荷造りは日々の生活の中で行い、旅立つ人々は終わりの荷造りをする。

旅立ちに何を持って行くだろうか。

カラダという袋の中に色々のものを入れるとお楽しみ袋になる。

自分が入れたものは知っていても、知らないものが入っている魔法もおきる。

自分の中にしまい込んでいたつまらないものが、永遠に役立つものに

変化(へんげ)する。

一つとしてつまらない世界はない。

究極の世界はみな詰まっている世界。

充満して丸くなるように、詰まっている世界は、

全体をやさしくおおう真ん丸い世界だ。

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