大吉原展、東京藝大美術館

 

喜多川歌麿「吉原の花」
ワズワース・アテネウム美術館

上野の芸大美術館で3月から開催されている大吉原展。
出品作品数は230点と多いが、気になるのはワズワース美術館所蔵の喜多川歌麿の特大浮世絵「吉原の花」と辻村寿三郎のミニチュアの吉原の町。

50数人の遊女たちと犬1匹。夜の桜見に2組の花魁グループと2階の演奏会の様子。華やかな江戸の文化が遊郭の別世界の中で繰り広げられている。

喜多川歌麿の「吉原の花」
アメリカ、ワズワース美術館

桜の木は花見のこの時期、他所から運んで植えられる。

花魁御一行様、初めのグループ
「吉原の花、部分」歌麿作、1793年頃
後から到着した花魁グループ
「吉原の花、部分」歌麿

幕府公認の遊郭の中で華やかな文化を繰り広げ、発展させた。後半の展示では特異な世界に住む女性たちの悲しみと抵抗も知った。

夏の祭り「八朔」は暑い気候の中、重い衣装をまとってパレードする過酷さ。江戸の火事の大半は遊郭の女性たちの火付けが原因だった。人権を無視した待遇に抵抗するものだった。

辻村寿三郎 作品

会場の最後に寿三郎作品の吉原仲の町のミニチュア模型が置いてある。
『復元ではなく、江戸の女たちの心意気である。女の艶やかさの誇りなのだ。後にも、先にも、この狂乱な文化はないだろう。』 (辻村寿三郎)

辻村寿三郎 作品

土曜日の午後

筋を通せない、話が通じない人が、私の道に現れた。
避けて通りたいが、時間が経過しないと、無理そうだ。
気分転換に、頭をすっきりさせよう。

やはり花鳥風月に癒してもらうのが健康的だ。
週末の午後、臨港公園のドッグフェスに足を運んだ。

S. girl 4-year old, 2024

入り口近くで小羊のような毛を持った大型犬に会った。
しばらく見ていた。人に触られるのが大好きだと聞いて、鼻の上の毛やカールしたふわふわな毛皮の背中をなでた。おっとりとした性格だ。

会場では50米走コンテストもあり、細い道を一頭づつ走り、タイムを測る。早い小型犬は5秒台で転げるように走っておかしい。遅い犬は20秒台だった。

ドッグフェス 4/20/2024

広場は土の地面、全力で走る犬と併走する飼い主等。
自然体のすがたに見ている私も元気になる。

水上温泉近辺へ小さな旅

東京駅13時40分発のゆっくりした出発の1日目。
上越新幹線でわずか70分足らずで上毛高原駅に到着。宿泊は送迎バスで10分ほどの松乃井の源泉、生温泉の宿だ。できる限り外気に触れさせず温泉の鮮度を保っているので「生」温泉と呼ぶらしい。

松乃井の日本庭園、散歩道
素朴な石の彫刻が並んでいる

2日目は現地で行き先を決めながら移動した。水上駅からバスで谷川岳のロープウェイをめざした。

谷川岳天神平駅へ向かう

山頂の眺めを期待したが、積雪は1.5メートルを超え、霞んでいる。思いがけず、スキー場に来てしまった。

谷川岳天神平
後ろにリフト乗り場が見える

下山して水上温泉駅付近を散策した。バスで「小学校下」で下車、利根川の川原から始まり、昔は賑やかだっただろう、と余韻が残る温泉街を30分くらい歩くと上毛高原駅に着いた。途中ガラス工芸品のお店にも立ち寄った。

利根郡みなかみ町
利根川、群馬県

わずか30時間の旅で、群馬県の温泉と谷川岳、利根川沿いの散策とゆっくりできる。新しい発見だった。

ニュージーランドの自然 ④:景色

温泉の湯けむり
 ロトルア、テプイア
間欠泉が吹き上がる
Geyser, Rotorua

見学を終え、帰り際に大きく間欠泉が噴き上げるのに遭遇できた。

展望レストランからの眺め
 クィーンズタウン

12月15日の夕食地はケーブルカーで山を上ってすぐのスカイラインレストランだ。バイキング形式の広々とした気取らないレストランだった。

フィオードランド国立公園
 鏡のように空が湖面に映る
車窓からの景色
 朝8時前、クィーンズタウン

12月16日土曜日の朝、バスは7時にクィーンズタウンを出発した。ミルフォードサウンドまで263キロ、約4時間30分の走行だ。クルーズ観光の後、また同じ時間をかけてクィーンズタウンに戻った。

フィヨルドクルーズ船上から
  12/16/2023
ミルフォード・サウンド 世界遺産

ミルフォード・サウンド一帯は10万年以上前の氷河に削られ、幾つもの滝、トレッキングコース、湖遊びと野外活動が盛んらしい。

時間に押されている私たちはフィヨルドクルーズだけを楽しんだ。16日の夕食時間、宿泊ホテルで姪と9ヶ月ぶりに出会う。予定した3時間ほどのクリスマスディナーを実行できた。

ハイキング中のマウントクック

最後に訪問した観光地はマウントクック国立公園。17日の午後2時に到着した。山歩き雨天用のジャンバーを購入、喫茶店で一休みしてから、マウントクックに向かって2時間ほど歩いた。6時前にホテルに戻ると隠れていた山頂が現われ、その後、まだ明るい9時頃、偶然に夕陽の当たる山肌を見ることができた。
(※ 12月25日ブログに夕陽のマウントクック投稿)

マウントクック
 18:00、12/17/2023

ニュージーランドの自然③:植物

 

北島固有種の常緑樹、多くの赤い花をつける。 英名クリスマスツリー

赤い花を多くつけたクリスマスツリー、別名「ポフツカワ」はニュージーランド北島に見られる固有種。木の高さは20メートルを超えて育つ。マオリに神聖視されている樹齢800年を超える木は離れ島、海沿いに立っている。政府もこの種目を保護をしており、伐採や植栽には許可が必要だ。

ニュージーランドの春はルピナスの季節で有名だ。青、白紫、ピンク色系のグラデーションの美しさに眼を奪われる。

マウントクックナショナル パーク

意外なことにルピナスは欧米方面からの外来種。公園内では国は毎年予算を立て駆除の対象にしている。固有の鳥たちの住処を奪うこともあるらしい。
道端や野原は駆除の対象ではなく、春はルピナスの季節として観光呼び物になっている。

クロムウェルのフルーツスタンド
ジョーンズ果樹園の公園
 鹿のオブジェ、クロムウェル
トーチリリー、ユリ科
 クライストチャーチ植物園
「コル」シダの芽の形の置物 周りにシルバーファーンが育つ
 モナベールの公園、クライストチャーチ

ニュージーランド航空機のボディーに描かれたファーン(シダ類)、街でもよく見かけるマオリのデザイン。彼等はデザインの中に力が宿ると考える。
「コル」はそのファーンの芽で、繋がり、生命の生まれ変わりを表す。「ファーン」は前進、躍進を表している。

ニュージーランドの自然②:鳥たち

北島のロトルアから、南島のクライストチャーチ、ミルフォードサウンド、クィーンズタウン、マウントクックとバスで効率よく、早足で駆け抜けた。

バスも信号待ちがなく、100キロくらいで安定した走行。

クロアカツクシガモ
豪州、NZに分布 photo Tisa
クロアカツクシガモの赤ちゃん
ーミルフォードサウンド
ケアは世界一賢い鳥と言われる  南NZの固有種、別名ミヤマオウム
好奇心旺盛なケア 
人が居てもバンに乗り込んだ
ーフィヨルドランド公園にて
黄金のヨロイを被っているような姿

黒鳥、ポリラコウ-ベイ
ロトルア
ニュージーランドスズガモ、
クライストチャーチの公園
マミジロカルガモの親子、NZではグレイダックと呼ばれる

ニュージーランドの自然①:牧場の羊、牛たち

ニュージーランドでワーキングホリデーを利用して、姪が滞在中。これは無理してでも訪ねよう!と意気込み、昨年12月グループツアーに参加して北島のオークランドに飛んだ。飛行時間10時間半、時差も3時間から4時間と、欧州方面よりはずっと楽だ。

Riverdale Park
photo tisa, 2023 Dec
ロトルアの牛牧場、
photo tisa, 2023 Dec
ロトルア、牛の放牧
photo tisa, 2023 Dec

老牛の思慮深そうな眼をとらえた。この時は次々と見たこともない珍しい牛たちがこちらへ向かってきた。シャッターチャンスが続いた。

貫禄の老牛
photo tisa, 2023 Dec

ニュージーランドは生き物に優しく、住民も平等に暮らしている印象だった。国鳥のキウイのゲージやツチボタルの洞窟では、夜行性の彼等の安眠を妨げないように、と注意があった。お喋りやスマホの光も禁止だ。撮影はできなかった。

牛天神北野神社(小石川)

東京に住む若い友人から「牛天神の梅まつりに行こう」、とメールが来た。

北野神社(菅原道真公)

飯田橋からゆっくり歩いて15分、小さなこじんまりした神社だ。梅の木々を眺めながら、参道の階段を上がる。土曜日のせいか、御朱印帳受付に人が集まっている。

木製表紙の御朱印帳
2019年パスポートの26頁の模様に採用された北野神社茶屋

北野神社は1184年、源頼朝が創建した。菅原道真が頼朝の夢の中で牛に乗って現れ、吉報を届けた、と言われている。

845年6月25日のうし年生まれ、菅原道真公は、政治家でもあったが、学問に優れ、文章博士としても著名である。九州太宰府で生涯を閉じた。

参道の紅梅とメジロ
ウグイスは来月にさえずる?

私は言葉に取り組んで日々過ごしている。このお参りは偶然とは言え、感じるものがある。もっと文章が上達しますようにと願った。

“皇室のみやび” :近代皇室を彩る技と美

1月20日、冷雨が降る中、久しぶりに東京駅から一つ目の竹橋に来た。姉と待ち合わせて、皇居三の丸尚蔵館へ向かう。

 

入館して正面に展示されているのが奈良一刀彫の像。ユーモラスな表情と美しい着物の彩色が始めに目を引いた。

“熊坂長範”, 平安時代の盗賊
  森川杜園 1893

 

七宝唐花文花盛器
 濤川惣助、1889年頃

他ではなかなか見ない一対の七宝焼きの大壺。

 

掌でいつくしむメノウの金魚
  明治時代

この正月に玉造温泉でたくさんのメノウのアクセサリーを触った。掌でいつくしむ感覚はよくわかる。メノウは手遊びでいつまでも触っていたい。

 

サウジアラビア国王からのネックレス、1971年頃

香淳皇后(1903〜2000)にサウジ国王から贈られたネックレスのモチーフは可愛らしい花で今風だ。

 

“日出処日本” 横山大観   1940、紙本着色料

壁一面、大迫力の太陽と富士山、皇居内でのみ鑑賞できる大観の2千点にのぼる富士山の絵の中で秀逸大作。

正面に設置されていたベンチに座って作品を眺めながら、日本の近代史現代史を思う。

2024年お正月:城下町松江市を巡る②

 

松江城、木造の鯱は火事から建物を守る魔除け、約2メートル

下船後、松江城まで歩き、天守閣に登った。頑張った甲斐があった。快晴の中、遠く大山まで見えた。

松江城天守閣から臨む大山

松江城山公園内に、松江神社があった。ここで気になっていた初詣を行うことができた。無病息災を祈念し、御朱印も入手した。

松江城一ノ門、豪華な門松飾り
松江神社の御朱印

「日本の道百選」に入る塩見縄手近くにある小泉八雲記念館は2016年に生まれ変わった。最新の展示方法で日本での八雲の業績、生涯がわかる二階建ての建物だ。家に帰ってからさらに勉強したくなった。

記念館を出ると島根物産館の2階に出雲そば屋があった。遅い昼食は冷たい割子そばと暖かい宍道湖のシジミ味噌汁。美味しいそばに出会った。

八雲が愛した日本庭園と侍屋敷

食後、満足して歩いていると、小泉八雲旧居が現れた。家族とともに数ヶ月借りて生活した庭付きの武家屋敷だ。

中に入ると、八雲が実際に愛用していた特注の机と椅子が何の制限もなく置いてあった。オープンマインドな八雲の思想を引き継ぐ八雲会の精神を感じた。
しっかりと椅子に着席し、1904年この世を去ったハーンの日常を感じ取ってみた。

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