鴨居玲の絵は暗かったが...

5月18日、そごう美術館の「近代日本洋画の名作選展」を鑑賞する機会があった。文化センターの「芸術魂に触れるレクチャー」に参加した。
ひろしま美術館からのコレクションだ。

白い人(A) 1980年

最後のコーナーに鴨居玲の作品が数点展示されていた。
初めて知る画家と作品。
レクの終わりの方で、疲れも感じており、ほとんど時間をかけずに飛ばした。
引き付けられなかったが、しかし印象が強かった。

私の村の酔っ払い 1973年頃

異様に暗く、パネルの説明からはどうも神を信じない立場のようだ。
暗さと無神論者であること、性別が気になり、帰宅して生涯を調べてみた。たくさんの作品もネットで見て人物を想像した。

友達も多く、スペインにも留学していた。美形ゆえ、「多くのスペイン女性が驚くような流し目を送り、嬉しい」と手紙に書いている。ヨーロッパのキリスト教文化に触れても、神の存在を否定していたのだろうか。最後は自殺未遂で、知人の説によると、画家は未遂で終わりたかったのだが、飲酒と睡眠薬で57歳で他界した。

「月に叫ぶ」  1979年頃

彼の残した偉業は人生の知っておくべき暗闇を鮮烈に描いたことだと思う。

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