「旅立つ息子へ」 Here we are

3月27日、話題のイスラエル映画を観に行った。

「時間をくれ」父は別居中の妻に訴える。
この映画は田舎で暮らす父と息子の生活、そして自立までの過程を描いている。
息子は自閉症スペクトラムを患い、思春期を前にしているウリだ。実話である。

家族を介護する生活は、時間の流れ方が世間と違う。
映画の中でも、会話は短くゆっくりと進行する。父親アハロンは流行グラフィックデザイナーの職を捨て、結婚生活も二の次にして、弟夫婦との交流からも遠ざかっていた。「息子の生活は自分が看る、施設に入れるには今その時期ではない」と考えていたからだ。

周りは父の考えを理解しない、社会主義のイスラエルでは裁判所の指示やケースワーカーのシステムがよく整っている。無収入の父は四面楚歌、逃亡の旅に出た。その短い旅で息子は、世間に触れて新しいイベントやトラブルを体験した。少しづつ成長し、変化していく。旅の力はなんと偉大なことだろう。

一対一で真剣に向き合って介護する親の気持ちや喜び、自分ごとのように感情を移入できる映画だった。

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