絵本「コロナのことおしえて!パトスせんせい」

 

1月7日に去年4月以来、2回目の緊急事態が菅総理より宣言された。
再び自粛の日々が1ヶ月続く。今回の内容でホッとしたことは学校閉鎖が含まれていないことだ。幼稚園、保育園から小中高、大学は今まで通りだ。

感染症専門医で病理医の堤寛先生が、昨年4月の「感染症大全」に続き、「小学生低学年向け」にコロナの絵本を私版出版された。本文は堤先生、アートデザインは娘の堤久美さんが担当された。
病理学は英語で pathology、そこからパトスせんせい、すなわち堤先生が絵本の中で可愛い小学生たちにコロナについての知識をやさしく説明している。

予防項目で、うがいや歯みがきを勧めているのは目新しい。本文中、印象に残ったこと。手洗いの後、ハンカチの代わりにペーパーを使うことを勧める。水分のない乾いた場所では、ウイルスを含め、すべての生き物は生きられない。わかりやすい。

「コロナのことおしえて!パトス先生」より

「眼(あい) 天使が語った道しるべ」

初めての電子書籍

昨年12月末に幻冬舎から商業ベースでちさ&タモツの電子書籍が配信された。
2022年出版の目標を立てていたところ、コロナが間接的に影響して、1年早く現実となり、しみじみとした年末年始を送った。

当ブログにて過去30年のエッセイを投稿するうちに、まもなく旅行エッセイを含めて100篇を超えた。全体の目次がないので、読みにくくなった。個人的にもタモツさんの過去のエッセイのタイトルを見つけやすくし、読み返したい。海外にも配信して日本人のある種の伝統的な考え方を伝えたい。

昨年3月末にブログサイトを原稿として幻冬舎に相談した。すぐに電子書籍化が決まり、配信までのレールに乗った。読者にわかりやすい表現をモットーに、エッセイと詩、60篇を一行一行推敲した。

私自身は普段は紙の本を好む60代だが、今回勉強になった。
アマゾンの Kindle アプリは使いやすく、読みやすく進化していた。読み上げ機能や翻訳機能もついている。新聞もデジタルで読む読者が増えている昨今。新年は苦手意識を持たずに電子書籍を生活に取り入れてみようと思っている。

「声優夫婦の、甘くない生活」

1991年、ソ連崩壊後(1990年)、国連軍とイラクのフセイン王が戦った湾岸戦争。当時を舞台に、ソ連からイスラエルへ移住したロシア系ユダヤ人声優60代夫婦の新天地での奮闘記だ。

若い監督エフゲニー・ルーマンは両親から聞いた体験話を後世に残そうとこの作品を製作した。

コミカルなタッチで描かれつつも、多くの社会的テーマが含まれている。巨匠フェリーニの作品を始めとする名作映画への熱い情熱、化学兵器に備えての政府からのガスマスク配給、移民の就職難や言語問題、熟年夫婦の問題などなど。若い観客はすぐにわからない事も多いだろう。

1991年9月、イスラエルの首都エルサレムで三週間、私は縁あって知人宅に滞在していた。湾岸戦争はすぐ終わり、観光目的の渡航が可能だった。この映画で30年前の中東の状況を思い出した。

ロシアから100万人規模のユダヤ人移民が、聖書に書かれている自分たちの祖国を目指した。ソ連にいた頃は、著名な学者、有名な音楽家、社会的地位が高かった人たちも職がなく、生活に困った。通りにバイオリンを奏でるロシア人が多く見られた。映画の主人公はこれらの中の一組の夫婦だ。

イラクからのミサイルの落下跡も残る中、人々が庭でバーベキューを楽しむ姿もあった。遠い国情が異なるイスラエルだが、日常生活やその中での感情は世界共通だ。小さな幸せがトラブルとともに交互に訪れ、将来へ続くことを描いていた。

年の瀬の景色

「良いお年を」と美容院で挨拶され、もう年の瀬が迫っていると実感した。
今年は季節感や時間の感覚が薄れている。皆はどうだろうか?

2年前に紫色の香りの良いシクラメンを見つけた。今回は2回目の購入。花の数がとても多く、日々様相が変わる。二週間目にハートの形になった。

セレナーデア、シクラメン

12月18日の金曜日、元町のクリスマスの様子を散策がてら見に行った。家なか遊びで、3Dの写真をネットで見つけ、外の風景との(※ 個人使用限定の)合成写真を撮ることを思いついた。すると同じようなことを考えている人はいるものだ。自転車にプロジェクターを積み、お洒落な店の外壁にマッピングをして歩いているグループに出会った。子供たちを交え、楽しそうに動いて行った。

プロジェクトマッピング
元町通り

 

 

 

 

 

 

 

 

私の方はヒョウとコアラで遊んでみた。今年も多くの出来事が時を刻んだ。

通りのベンチとヒョウ
今年を振り返って

12月の夕焼け

12月14日、夕刻4時30分。洗濯物を取り込む時間だ。ベランダから見える空が赤い。

美しい天然色、夕焼けの空

赤く染まった空に日が暮れる黄金色の光が見えた。近年まれに見る色彩に目を奪われた。美しい自然に出会った時、すぐにカメラを取り出すとじかに自分の眼で時間が少なくなる。この時は初めに1枚撮り、そのあとは夕焼けの空をしばらく眺めていた。いつもは刻々と変わる夕焼けだが、ゆっくりと長く続いた。グレー色の太い線が放射状に現れてきた。

冬の空気は澄んでおり遠くまで視界に入る。
地図を見ると、手前の秦野市の後ろに見えるのは、金時山(箱根)、明神ヶ岳。左は神山、駒ヶ岳と連なる。

2020年の12月、ひとときの空からのおくり物だった。

長生き観葉植物

観葉植物はインテリアに欠かせない。
私がする世話は、1週間に1、2度の水やりだけだったが、忘れることはない。我が家でいちばん長寿の木は観音竹でもう樹齢40年以上になる。買った時は1200円で30センチほどの高さだった。観音竹は葉の先が枯れやすいが、きれいな形とツヤを保っている。枯れた葉も何枚かあったが切り取った。

植え替えは根が張りすぎでできないので、植木鉢だけ特大なものに入れ替えて、安定をよくした。

一度引越しを経験しているが、今は和室の窓辺に近い場所に置いている。
旅行で10日間くらい水をあげなかった。しかしずっと元気だ。私の40年間の歴史を見守ってきた。きっと何でも知っているだろう。

観音竹、樹齢40年

次に古株なのがモンステラだ。初めは普通のモンステラの葉っぱをつけていた。20数年経って、葉のデザインが変わり、すべて丸いハート型になった。たくさんのハートが空中に浮かんでいるようで面白い。

ハートの形になったモンステラ

北鎌倉古民家ミュージアム、絣展

11月8日、日曜日の外出は久しぶりだ。
暖かな、やや曇り空の午後、絣展と近くの散策を思いつき、家を出た。

円覚寺の座禅会が催されたのか、寺の入り口は人がやや多かった。ミュージアムの中は二人。日曜日の午後とは思えない位、静かだ。その中で明治、昭和の古典的絣作品が待っていた。目を引いたのは久留米絣団地で制作されたお祝いのために作られたタペストリー。日露戦争に勝ったときの記念に創られた。日露の文字、大勝利の文字、軍旗をあしらったデザイン。他に病院が開院したときの記念品。万歳とある。古典久留米絣は幾何学模様、クロスが特徴で、はっきりした輪郭が印象的。

久留米絣、日露戦争、大勝利
病院の開院、万歳

伊予絣の自動車とケマリを並べたデザインも可愛かった。昭和初期の子供用の着物。

伊予絣、自動車と蹴鞠

今年の1月に訪ねた奄美大島の龍郷柄着物も幾何学模様が素晴らしい。

奄美大島紬、龍郷柄

お土産に久留米絣のマスクを買った。

久留米絣のマスク

ベルリンから来た禅僧、ネルケ無方さん

10月17日NHK教育テレビ「こころの時代」で禅僧のインタビュー、紹介番組を観た。1時間の番組で禅のお話はわかりやすく、体験談は興味深かった。

ネルケ無方さんは兵庫県安泰寺の運営を任されている。18年間、山奥で自給自足の生活を実践した。海外や国内から受け入れた雲水との修行も語っている。彼には高校生の時から「生きる意味とは何か?」のテーマがあった。祖父はキリスト教の牧師である。大学では哲学を学んだ。その問いの答えを求めて日本にやって来た。

寺では多くを説明されず、日本語の壁もあった。厳しく過酷な座禅や毎日の料理、お米の炊き方、すべて試行錯誤だ。今は高い位も得て、リーダーになっているが、今年安泰寺を2代目に譲って、大阪で新しく出直すことを決めたと語る。現在52歳である。

貨幣制度がない時代、お金がない時代は「人々は天地いっぱい生きていた。今はお金のせいで人生がゲームになっている」
「生きる意味とは?」ご自身のテーマに対して、その答えは「ない」そうだ。
「ただ呼吸して生きることだ」と語る。

厳しい修行を経験された結果で、孤高の禅僧の真実だと思った。

胃カメラ検診の1日

10月16日、胃カメラ検診を昼近くに予約していた。
美味しく食べることは元気のもと、胃が元気であることが大事だ。胃の状態を10年ぶりに検査してもらった。

前回の記憶は薄れていた。今回も鼻からファイバースコープを入れて10分程度の検査。検査前に胃をきれいにするコップ半分くらいの液体を飲んだ。鼻に入れるゼリー状の麻酔、別のスプレー液は喉にかけた。注射の麻酔はなく、一部始終をモニタで確認できたのはよかった点だ。「喉もと過ぎて」少しは楽になったが、その前は痛みがあり、力を入れていたので、息をするの忘れていた。

涙も出て来る。途中、先生が「呼吸できますか?」と言われ、呼吸することを思い出した。そのあとは、ずっと声を出しながら深呼吸していた。事前に心得を知るのは大事だった。今回は意識的に考えないようにして当日を迎えたのが反省点だ。胃壁は問題なし、食道に軽く炎症あり。その場で説明があった。

大仕事を終えた解放感。昨日夕食から絶食していた。1時間後に食事をして良い、ということで、胃カメラ無事終了を祝って、近くの日本食レストランで秋の味覚の会席料理を頂く、少し贅沢なランチを思いついた。松茸土瓶蒸しもついている。何十年振りかの松茸お澄まし汁。これから何回、秋の味覚を食することができるだろう。

ランドマーク69階から
秋の横浜港を臨む

窓からは横浜港を一望できる。飛鳥Ⅱも停泊している。

映画「ある画家の数奇な運命」

10月8日、みなとみらいにあるツタヤカフェの2階にある新しい映画館に行った。シートはリクライニングになり、音量も大き過ぎず快適だ。空調の微風が少し気になったがコロナ対策だろう。

この映画はドイツの著名な「新表現主義」の画家、ゲルハルト・リヒターを描いている。画家の希望で登場人物は特定できないように脚色されている。1930年代からのナチス時代から始まる。戦後、主人公のクルドは妻と共に、西ドイツのデュッセルドルフに移住した。ナチスの安楽死事件、その後の家の血統を尊重する義理の父の行動など重いテーマがある。そのような時代の中で、主人公のクルドはマイペースを貫き、世間の人々と異なる時間を過ごし、自分を納得させた。妻の揺るぎない愛を得たクルド、苦悩の末、芸術家としての自分のテーマを見出した。そして初めての個展で評判になり、成功していく。

日本にもリヒターの作品がある。2016年、瀬戸内海の無人島の豊島に常設された。ネットで画像を検索した。美術館建物は角材のようでシンプル、デザインは本人が手掛けた。作品は14枚のガラスの立体オブジェで、周りの海や陽光、虹の光を楽しめるそうだ。

ガラスに写る訪問者等や海が重なって映り込むが、これも作品の一部とあった。映画を見た後、よく理解できる。

 

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