8月の終わり、NHKのEテレビ 、「100分で水木しげる」を観た。4名の論客が水木しげるとのかかわり合いを情熱をもって楽しく語っていた。
私も水木しげるは生前、注目の人であったので、番組に刺激を受け、すぐに未読の彼の作品を探した。生誕100周年に相応しい水木しげる全集最後の巻、「水木しげる人生絵巻/わたしの日々」(編集、京極夏彦)を電子書籍で購入。即、読み始めた。
今彼が喋っているような若々しい文章のエッセイが詰まっている。彼の人生は超多忙だったが、猫の人生が理想とある。「好きな事をして、好きな時に昼寝する。暇なことはいいことだ。」一方、いつも趣味がないと仕事ができなかったそうだ。
若い頃は、ゲーテ、ニーチェなどの哲学書を愛読し、海山に恵まれた自然の中で思索した。厳しい環境下で戦争体験した彼は「敵と共に生きる」とも述べている。
「今生きている時代と折り合って生きるか、時代と離れて生きるかの迷いがある。」
「死も苦しみではなく、楽しい楽園の入り口ではないか? 夜布団の中で、楽園についていろいろ想像する。その時間もすでに楽園だ。」共感する。