今日は5月3日憲法記念日だ。
NHKで午前中に長めの1時間20分の特集番組をしていた。
討論会で、コロナ禍で憲法が保証する「自由」についてだった。
番組を視聴しながら約20年前の裁判所での「調停」場面を思い出した。
母は専業主婦だったが、着物の訪問販売、「次々(つぎつぎ)販売」を受けて、10件近くの契約を結んでいた。支払い能力を超える額だった。
そのため弁護士を頼んで解決に取り組んでいた。私は営業の犠牲者になっていた母のため、また当然、営業のあり方に怒りを感じ、弁護士と共に、信販会社数社と戦っていた。
信販会社は、契約後に契約者に電話で契約の確認をする。
何と録音テープを提出してきたのだ。母らしき声で「はい」と答えている。父も「これはお母さんの声だよ」と言っている。これで契約に文句は言えないだろうか?
私は裁判所の調停で、裁判官に、母の声だとしても、信販会社の表面的な確認方法に問題がある、と訴えた。高齢の顧客に「契約しましたか?」と聞いて「はい」と答えるのが普通だろう。
「テープがあっても正当化する証拠にはならない」と感じた。専業主婦の支払い能力を考慮せずに、次々と契約させるのは法律に反しなくても、アウトだ。
結果、ほとんど時効になり残金を払うことはなかったほか、既払い金も小額ながら戻った。
当時は、ずっと「法律は人のためにある」と思って、戦っていた。