11月20日、23度と季節はずれの暖かい天候に恵まれ、天気予報の小雨にも会わなかった。北鎌倉の古民家レストランで「懐石料理の昼食と付近の寺を巡る小さな旅」を企画。
フランスから来日の友人と駅で待ち合わせた。徒歩10分で着くはずの幻董庵、住宅街で迷い、お店に電話。お女将さんが自転車で迎えに来てくれた。親切、家庭的で、近頃珍しく嬉しくなった。予約した時間は13時だ。道端に咲く花や木々の話をしながら、焦ることなく、門に辿り着いた。
建物は昭和初期の2階建の木造。庭の松や季節の紅葉が美しい。正面にそびえる崖も種々の緑で覆われている。懐石料理は2時間ほどかけて頂く。始めの食前酒の梅酒からコースが始まる。器と料理の盛り付けを楽しみながら、3時30分過ぎまでゆっくり会話を楽しんだ。コロナ対策で席は四人テーブルを対面で二人で使用した。
帰りがけ、庭に2匹のリスが突然、かけっこしながら現れた。友人がカメラシャッターをリスに負けないくらい早技で撮ることに成功。若い人は機敏だ。4時近くになり、近隣のお寺を散策することにした。お店の人が東慶寺と浄智寺が近くて女性にお勧めと、地図をくれた。
駆け込み寺で有名な東慶寺は、ギリギリ閉門時間に間に合って参拝できた。浄智寺は関係者葬儀をされていたが、境内に入った。巨大な岩の横道の先に薄暗い洞窟の布袋尊が見えた。境内を一周した。
静かな薄暗い空のもと、鳥の鳴き声が?と思ったら、リスが私たちのいる頭上の枝で、しきりに鳴いているのが見えた。喋っているように聞こえる。その声はずっと続いていた。