映画「コリーニ事件」

6月12日、2019年制作のドイツ映画「コリーニ事件」ロードショウ初日に映画館に向かった。昨年秋にドイツの旅をして人々と言葉を交して以来、ドイツのニュースや文化、食べ物に自然と関心が向く。

今回は20世紀を舞台に現役弁護士が描いた小説から、現代においての戦争犯罪にまつわる正義のあり方を問うている。戦争中は見過ごされていた残虐行為を、戦後その犯罪性を見直し、罪を再評価できたことがこの作品の大きなテーマだ。

その他に映画の中からドイツの現状を学ぶ楽しみもある。まずトルコ移民の新米弁護士とイタリア系移民の経済学を学ぶ女子学生が事件の謎を痛快に解き明かす。微妙な移民の立場もさりげなく描かれている。この弁護士の父親もトルコで弁護士をしているが、親子関係に問題があった。幼なじみで元恋人との関係、女性の豹変ぶり、そんな中で思いやりを示す弁護士の態度にも共感できる。

殺人犯の生涯に想いを馳せた。イタリア系移民の彼は30年間は善良なドイツ市民だった、そして殺人の罪で捉われの身になった。しかし弁護士のおかげで公けの場で正義を示すことができた。故郷のイタリアの田舎に帰り、魂は子供の頃に戻り、亡き父親と再会したのだろう。戦争中の悲劇現場には目を背けるが、裁判を取り巻く人々、そして監督の優しさに悲劇の中に救いを見た。

 

 

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