もったいない、菅首相のいきなり退任

9月3日の昼過ぎ、菅首相が短く総裁選の自身の不出馬を伝えていた。
2分程度のスピーチ。やはり突然の政局の大変化に驚いた。

菅さんの選挙区が私の地元で、気さくな人と評判も良かった。
昨年中途で総理大臣に選ばれ、その前途多難な環境からの出発を応援していた。その時は長期政権になるかどうかは未定だが、安倍元首相の残りの任期を引き受けた。
そして今回その職の継続中止を自分の意思ではなく、周りが決めたように映る。

とはいえ、もったいない。1年間の首相のキャリアを積んで今日がある。初めから就任した新しい役職を完璧にこなす人はいないだろう。

日本は「もったいないの精神」を持つ国民として世界に知られている。ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイ女史が世界語にした「もったいない」キャンペーン。

その言葉に反して、日本社会の現実は物を新しく取り替える伝統や傾向がある。
例えば伊勢神宮の20年ごとに建て替える習慣、新年にお茶碗やお箸を新調すること。使える建物も簡単に壊して更地にする。

もったいない最近の例では、今年のオリンピックのために評判の良かった代々木競技場を取り壊し、新しくしたこと。そのオリンピック中に用意されたお弁当、コロナ対策の防護服やマスクは自動的に大量廃棄処分になった。

物ばかりではなく、人も人事も刷新して力を得ようとする。政局の流れを見ていて「何ともったいないことか」と思う。政治の空白が多すぎる。これでは首相にしろ大臣にしろ、キャリアを積むことができない。責任感も育たない。
大事な議論は空虚な質問と答え、批判に費やすことが多い。もったいないことだ。

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