手の働き (2)

手には裏と表がある。足にも裏と表があるが、手ほどはっきりしていない。普通、手のひらが裏になるが、実質的に考えれば、手のひらは表である。手相があるのは手のひらで、そこにメッセージがある方が、手紙の文面と同じく、表である。

手のひらが平らになるのも面白い。平らになるので音が出せる。敬礼もできる。手が曲線しか作れず、それで敬礼しなければならないとしたら、その場の空気感も違ってくる。直立不動の姿勢の中でも、手の働きは重要だ。手がまっすぐ伸びていれば、直立不動の気が失敗なく、見ている人の側に伝わってくる。敬礼、直立不動などは、軍隊、自衛隊の人でもなければ、普通の大人は縁のないポーズであるが、見る側として共通体験をできる。まっすぐの気が伝われば、両者が体験者になり得る。

かくも魅力的な働きをたくさん持っている手である。私にも見えない手があるが、これを奥の手と呼ぶ。自分だけが知っている手である。

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