ウルパン・アキバ滞在記 (6)

デビッドはアンマンに向かうと言うので彼もドライブに加わり、ツアーメイトとなった。英語圏の人は情報量が違う。駅前近くの安価なホテルを紹介してもらった。鳥料理のレストランで10時近くだったが、夕食を美味しくいただくことができた。見知らぬアラブの土地で米国人の鳥学者は心強い道連れだ。

3日目。私たちはアンマンから1時間のジェラーシュと言う古代ローマの遺跡の街を訪ねた。この日ハリーは仕事だ。ジェラーシュの町は全体が古代十都市連盟デカポリスの遺跡なのだが、非常に保存が良い。原型が完全に残っている立派な遺跡の数々に驚き、感激した。考古学に詳しい人は興味が尽きないだろう。そして古代劇場は今も夏の音楽祭でステージとなっている。素晴らしい遺産を持ちながらそれほど観光地化されておらず、素朴なのがまたよかった。

この日の夜にはウルパンに戻らなければならない。翌日は新学期だ。鳥学者と別れを告げ、夕方4時にアンマンを出た。帰りはナビゲーターのハッサンはいない。道に迷いながら国境にたどり着いたのが7時。しかしそこの役人は
「マイカーでイスラエルに入国するのは、北のジョルダンヴァリー・クロッシングポイントだ。8時には閉鎖されるから今夜は泊まった方がいい。」
と、すげなく言われた。

慌てて北に向かうが行けども行けども暗闇が続く。灯りも標識もホテルもレストランもない。人々は親切でも英語が通じない。銀行でも換金がうまくいかなかったので、ヨルダン通貨もない。食物もなく朝から食べそびれていたので空腹だ。途中道を尋ねた商店の人が追いかけてきて何やら包み紙を渡してくれた。パンが幾つか入っていた。食べ物をもらってこんなに有難いと思ったことはない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Translate »