色は目に見える色と、目に見えない色と、イロがある。
この世の見えるものすべてを色(しき)と呼ぶのは仏教。色即是空で有名だ。
形と色と雰囲気で読み取る見えない色もある。顔色を読んだり、怒りの色を発したり、人間技だ。仁王像はよく顔色が現れている。
日本伝統の色彩事典を見ると、昔の日本人の感覚がいかに研ぎ澄まされていたかわかる。百何十種類の色の妙があり、自然界から美しい名前が付けられている。(この事典を眺めるだけで想像力がかき立てられ、感動させられる。)
色は脳で処理され、視覚で認識される感覚の一部だ。人はたくさんの同系色をグループ化して認識することもできる。
見える色と目に見えない色に対してイロは、性質も正反対。
ただのイロ。
イロはそこに存在せよ、居ろ、そこに永遠に居続ける。
このイロは変化することがない。