出羽三山の旅

10月4日から2泊3日で山形県、秋田県の出羽三山を訪ねた。東北地方の山中の由緒ある神社にお参りして古希の気持ちを意識するのが目的だ。

安全安心、知識を求めて今回も旅行会社のツアーに参加。25名の参加者と盛況だ。一人参加も多かった。

初めに新幹線で米沢駅に行き、あとはバスで移動。
1日目は地元ガイドさんもビックリの31度の快晴。3つの山のうち一番低い414メートルの羽黒山を訪ねた。

杉林に囲まれ、国宝の五重塔は隋神門から300mの場所にスクっと現れた。
平将門が1400年前に創建し、600年前に再建された。素木造りで自然素材が珍しい。「やっと無事に訪れることができました」など話しかけた後、振り向くと灯籠が笑っているように見えた。

国宝、五重塔
笑顔に見えた灯籠

山のきれいな空気をいっぱい取込みながら、石段を登った。ほどなくすると豪華な三神合祭殿に着いた。冬は雪深く閉山になるが、羽黒山だけは年中お参り可能。この神社に羽黒山、月山、湯殿山の神様を祀っており、ここ1箇所で三山まとめてお参りしたことにもなる。

現在の社殿は1818年、江戸時代に再建された。厚み2.1メートルの茅葺き屋根が美しく見事だ。

三神合祭殿
 (日本最大の茅葺き建物)

10月を迎えて

9月は雑事に追われ、気がついたらもう10月だ。

9月30日で政府の緊急事態宣言が解除され、やっと束縛感が緩んだ。
ニュースによると年内にはシオノギ製薬でコロナ初期の軽症に効く飲み薬が完成するそうだ。国民に安心を与えてくれるニュースだ。国内供給に大きな安心感がある。

10月は政局も首相交代の後、組閣も予定されている。長引いた真子様の結婚が10月26日と決まった。テレビの情報番組のキャスターの入れ替えや構成の刷新も今月始まりが多い。世の中も自分の身の回りもざわついている。

私も忘れたくもある今月の誕生日に古希を迎える。60代はあと何日間かで終わりを告げる。還暦を迎えた時より、今回はしみじみ感慨深いものがある。10年かけてシニアの自覚ができてきたのだろう。抵抗がなくなってきた。グレーヘアも興味を持って観察している。このブログも今月で3年目に入り、こうして書き続けられる状況は嬉しい。

古希の記念行事として、山形県の出羽三山に上り、神社参拝をするツアーに申し込んだ。山の空気と景色はどんなだろうか。

チェコ共和国からの手紙

今年6月に突然チェコ共和国から封書の手紙が届いた。
心当たりがないまま、開封すると手書きで私の昔出版した「妙な本」を古本屋で見つけ、日本に興味があるという。とてもロマンチックな話だった。その本は27年前に出版したが今は絶版になっている。

その後郵便でお礼とメールアドレスをカードで送ると、返信が届いた。送り主は イフラヴァの町に住む20代の女性。メールで簡単にやりとりできるようになった。

ある外国の国を知るには、そこに住んでいる人と交流がその第一歩だ。
チェコ共和国が身近になった。東京オリンピックは「インターネットテレビで視聴し、スケートボードの日本金メダルがカッコいい」、と最新のコメントだ。

チェコスロバキアから1968年のプラハの春、1989年のビロード革命を経て、共産党体制からチェコ共和国に移行したことを私も今回を機におさらいした。今月BSプレミアムの番組で革命シンボルの歌がビートルズの「ヘイジュード」だと偶然に知った。マルタ・クビショヴァが替え歌にして国民の愛唱歌になったそうだ。「マルタの祈り」とともに彼女の代表曲。力強い歌声をユーチューブで聴いた。

チェコ産ビール、
 ピルスナーウルケル

チェコのビールも有名で、ピルスナーウルケルは1812年に生まれたビール、先日飲む機会があった。一般のスーパーでも売っている。苦味の効いたおいしいビールだった。

9月にエネルギーチャージ

9月に入って瞬く間に2週間が過ぎた。
昔から私は暑く長い夏は旅行や遊びの気力はなく、文字通りの夏休みで、体を休める時期だった。

9月は残暑があるもののカレンダーが9月になるだけで力が湧いてくる。見えない水面下の世界で来年2022年の準備、影響が始まっているのを感じる。私にとっては新年は9月に始まる。多くの学生も同じ感覚を持っているのだろうか。

手帳を買った。最近は秋始まりの手帳も多い。
来年はどんな出来事が記入されるのか期待と希望が出てくる。来年はトラ年。手帳の表紙に虎の親子が書かれている。作者も良い年を願って描いたのだろう。表情がニュートラルなのに惹かれた。

2022年トラ年の手帳

8月中は歩いて行くのを敬遠していた花問屋。久しぶりに店内を覗くと秋の気配がただよっていた。雪柳紅葉染と白い小菊、コスモスを買って母の写真の横に供えた。

もったいない、菅首相のいきなり退任

9月3日の昼過ぎ、菅首相が短く総裁選の自身の不出馬を伝えていた。
2分程度のスピーチ。やはり突然の政局の大変化に驚いた。

菅さんの選挙区が私の地元で、気さくな人と評判も良かった。
昨年中途で総理大臣に選ばれ、その前途多難な環境からの出発を応援していた。その時は長期政権になるかどうかは未定だが、安倍元首相の残りの任期を引き受けた。
そして今回その職の継続中止を自分の意思ではなく、周りが決めたように映る。

とはいえ、もったいない。1年間の首相のキャリアを積んで今日がある。初めから就任した新しい役職を完璧にこなす人はいないだろう。

日本は「もったいないの精神」を持つ国民として世界に知られている。ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイ女史が世界語にした「もったいない」キャンペーン。

その言葉に反して、日本社会の現実は物を新しく取り替える伝統や傾向がある。
例えば伊勢神宮の20年ごとに建て替える習慣、新年にお茶碗やお箸を新調すること。使える建物も簡単に壊して更地にする。

もったいない最近の例では、今年のオリンピックのために評判の良かった代々木競技場を取り壊し、新しくしたこと。そのオリンピック中に用意されたお弁当、コロナ対策の防護服やマスクは自動的に大量廃棄処分になった。

物ばかりではなく、人も人事も刷新して力を得ようとする。政局の流れを見ていて「何ともったいないことか」と思う。政治の空白が多すぎる。これでは首相にしろ大臣にしろ、キャリアを積むことができない。責任感も育たない。
大事な議論は空虚な質問と答え、批判に費やすことが多い。もったいないことだ。

横浜市長に、山中竹春氏の就任決まる

快晴の横浜港

8月22日横浜市長選挙で山中竹春氏が圧勝したニュースに喜び、安堵した。今回は8名の候補者が立ち上がったことでも注目されていた。

美しい横浜港のラインを総合型リゾートの巨大な人工の建物で壊して欲しくない、「市民を幸せにする環境を考えて欲しい」と強く思っていた。

8月30日に就任後、はじめに「IR誘致の撤回宣言」を行い、IR推進室の廃止をする。横浜市民の7割が反対していたとも言われた計画がくつがえされた。

山中氏は横浜市大の医学部で学び、専門はデータサイエンス。今回無所属の市長となった。48歳で人口378万人を抱える横浜市のリーダーとなった。応援しています。

ヤモリと「寺田寅彦の電子全集」

陽が落ちかけての散歩道、石段の脇に続く生垣からポトンと何かが落ちる音がした。何かの固体の気がして目を凝らすとヤモリだ。

すぐに逃げずに私が階段を降りるのと並行して一緒に動く。止まると一緒に止まる。ヤモリの類いは好きなほうではないが、このヤモリは親しげなので写真を撮ることにした。接写も出来そうだ。正面から視線も合った気がする。

家に帰り、グーグルレンズで調べた。ホウグロヤモリで小笠原諸島や奄美大島など亜熱帯に多く生息している中型の種類らしい。検索していると「ヤモリ物語」というワードが出てきた。そこを訪ねると寺田寅彦の青空文庫にある無料の本。わずか8ページの本だが興味深い。

時は明治時代。寺田寅彦が役人時代に駒込で下宿している頃の日常。夏の雨が降る日は毎年頭痛がするのが常でフロに行くことでその不快さを取る等々と随筆ははじまっている。今で言う気象病か?

明治、大正、昭和初期の生活の様子は風情があり、目に浮かぶようだ。アマゾンで寺田寅彦を検索するとわずか10日前に配信になった「寺田寅彦、電子全集」を見つけた。これは価値がある。しかも値段はワンコインだ。

作品数が多く読み切るには100時間は要するだろう。物理学者でドイツ留学、旅、美術、交友録などトピックスが多岐に渡り興味深い。時々見たこともない漢字が出てくる。それらを推理するのもクイズのようだ。

夕方、目があったヤモリが、ヤモリ物語、そして寺田寅彦を紹介してくれた。

ホオグロヤモリ
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東京オリンピック2020、無事に閉会式を終えた

8月8日の夜8時に各国の国旗の入場から閉会式が始まった。

閉会式、国立競技場

過酷な真夏日に高い湿度の中、野外競技も大きな事故なく終了できた。外国人特派員やあるテニス選手が述べていたように、日よけのない会場で有観客でおこなわれたら悲惨だったかもしれない。無観客を基本にして熱中症を大幅に抑えられた。

台風の影響も受けず、テロリストなどの犯罪者の侵入も水際のコロナ対策で防げたのだろう。

十代、二十代の若い選手たちからもスポーツに取り組む新しい哲学を見せてもらった。

光を集め、浮かぶ五輪 
  2021年8月8日

こうして東京オリンピックは無事に閉幕した。

東京オリンピック 2020 開催中

前途多難が予想された東京オリンピック、7月23日金曜日の夜、開会式は開かれた。

1年の延期で、聖火もギリシャの古代オリンピアから運ばれ、歴代最長に燃え続けている。いつもと違うオリンピックと夏を経験している。開会中の日程自体が長いマラソン競技のようだ。

7月23日の開会式は4時間くらい、夜12時まで観ていた。57年振りの東京オリンピック、多くの同世代の人たちは歴史を感じただろう。

200カ国以上の選手団、知らない国名が多くなった。中国も台湾中国と香港中国が別々に行進、難民選手団も参加している。政治を超えて人々が集うオリンピックはやはり貴重な場を提供してくれる。

しかし外出規制で観光もできず、日本の猛暑の夏を過ごす日々は選手団、関係者にとって「我慢の行」となり、気の毒だ。

8日の閉会式まで各方面の予定が無事に終了し、とにかく有終の美を飾れますように祈ります。

野球会場、横浜関内スタジアム

エミール・ガレ展 ー みらい美術館にて

散歩中に見つけたみなとみらいの片隅にある美術館。
週末の金、土、日曜日のみ開館するこじんまりしたスペースだった。今回は50点あまりのガレの作品、入り口近くの寄木細工のチェストもすばらしかった。

特別出品の「フランスの薔薇の大壺」はさまざまな技法がほどこされている。全体の色彩が心穏やかにしてくれた。

フランスの薔薇、1902

マーガレットは母が好きだった可憐な花だ。
庭に群生していた。

マーガレット文ランプ

雀と雪の和風柄に目をひかれたが、クリスマス用に製作された。「善意の人々に」と賛美歌の一節が記されている。

雪中雀文花器、1898ー1900

特許を取得したマルケットリー技法の紅葉柄の大型花器。加熱したガラス器本体に模様をはめ込む象嵌技法に驚く。

紅葉文花器、1900年頃

歌手のロッド・スチュアートが同デザインランプを所蔵しているというトリビアがパンフレットにあった。ガレも南国の花、ハイビスカスに気を奪われたのだろうか。

ハイビスカス文ランプ
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