たくさんのことばが世の中にあふれています。以前は良いことばは残りやすく、無駄なことばは残りにくかった。インターネットの時代になってから、ことばの洪水ゆえ、逆に玉石やエッセンスが詰まったことばは見つけにくくなりました。人々は検索を重ねますが、自分にとって最良の良いことばを大事にし、さらに深めることがしにくい環境にあります。
しかし、良いことばに出会えば、それは一生かかって深く、より深く理解し、多くのことを教えてくれます。たくさんのことばを借りなくても、人生に必要なことばを自分の中に納めることができます。
本を読み、体験話を聞き、知識を深めることは人生を豊かにします。一方、書物に親しまない人々の方は多く、字を読めない人々も多い世界。それでも良いことばに出会えた人は、豊かな精神で人生を送ることができます。
ことばにはパワーがあります。もっとも多く耳にし、目にすることばは自分の名前です。何の疑問もなく、自分の名前を使い、使ってもらっています。名前の由来を両親が考えている場合が多いでしょう。憧れの人、尊敬する人の名前を我が子につけたり、音がいいからという理由もあります。名前は受け身でもらうものですが、自分の一部でもっとも自分を表し、影響を受けることば、文字、音です。
自分の名前が気に入らない人もいるかもしれません。どうしても受け入れたくない人は裁判所で改名してもらう道もあります。いったん自分の名前を受け入れたら、その名前に自分で意味付けしてみましょう。自分で決めるのです。しかも最大限、自分が望む幸福な解釈をつけてみる。自主的に自分の人生を創っていくことです。まずは名前。名前を大事にしましょう。一つ一つの文字の力が名前に力を与え、その人物に影響し、望むように導くでしょう。
ことばの力は、自分の名前というこの短い固有名詞からも感じられるのです。