奥入瀬渓流

7月のはじめ、奥入瀬渓流ホテルを訪ねた。
友人は中学校修学旅行以来の再訪、また涼やかな渓流を眺め、空気を味わうのが目的だ。

森の神話、東館ロビー

私の方と言えば、岡本太郎が好んだ土地であり、ホテルロビーに天井に届かんばかりの彼の作品を鑑賞するためだ。東館と西館に一体づつそびえ立っている。

ラウンジ河神、西館ロビー

奥入瀬渓流一帯は「苔の聖地」とも呼ばれ、300種類の苔が渓流沿いに見られるそうだ。ブナ林の中には珍しい動植物が生息している。朝、ホテルの専用バスで「阿修羅の滝」で下車、30分ほど散策と渓流の流れを楽しんだ。

天然記念物指定ー苔の聖地

十和田湖からの水は200メートルの高低差により、70キロの川となり、太平洋に流れ出る。そのうち、14キロが奥入瀬渓流と呼ばれ、特別名勝と天然記念物に指定されている。植物、石の持ち出し、持ち込みは禁止されている。将来は車両禁止地区となるそうだ。

「銚子大滝」
  十和田八幡平国立公園

琉球展 ー沖縄の日本復帰50年記念ー

東京国立博物館で特別展が開催されている。
別の用事で上野に訪れたところ、同展の青空色のポスターが目を惹いた。予約なしで入場できるので、2日後、5月28日に同展を散策した。

円覚寺が所蔵していた御後絵
2012年に復元された14代尚王

8世紀に鑑真が立ち寄った。15世紀から450年余り琉球王朝が続き、尚家歴代王の複製肖像画が並ぶ。国宝指定の陶器も美しい。

国宝、色絵紅葉文風炉
第二尚氏時代、18世紀
琉球陶器を象徴する深緑の
瓢箪型花器

王朝時代は自然崇拝が生活の中心にあり、死者の世界を取り継ぐ「ノロ」と呼ばれていた老女の写真もあった。公的祭祀者だった。文化遺産を通してあの世とこの世が繋がっていた沖縄を知る。

上流階級向け器、青や黒の釉色

展覧会に行った次の日、NHKのEテレビで沖縄の普天間基地に隣接した「佐喜眞(さきま)美術館」を再放送で紹介していた。旧東ドイツの版画家、ケイト・コルヴィッツの戦争がもたらす醜さを表現した版画作品を多く所有している。「必然性のある作品は感動を与える」と佐喜眞館長が解説していた。いつかこの美術館を訪ねてみたい。

イングリッシュガーデン、バラ満開 2022

一年前、連休明けの平日に満開のバラ園を訪ねた。

5月12日木曜日、良く手入れされ、年季の入ったバラのスガタ、香りを求めて姉とバラ園前で待ち合わせた。

今年は予想外の混雑振り。横浜駅から出発の送迎バスも満員で次のバスを待つほどだったそうだ。バラ園まで徒歩でアクセスした私も入り口の長蛇の列に驚いた。穴場的スポットも今は人気スポットになった。

先に園外のパラソル付きのテーブルで、持参のおにぎりでランチを取ることにした。13時前にやっと入場を待つ人の列が短くなってきた。

以下は別世界で咲き誇る最盛期のバラたちの記憶。

Tisa1
Th2
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Th7

旅気分

連休中はほとんど家にいたが、3年振りに開かれた益子陶器市を訪ねた親戚から、お土産をいただいた。

宇都宮市大谷町
 工房「陶遊舎」から

和風の一輪挿しで素敵な花器があれば、ということでリクエストした。この作品は陶芸家、横浜出身の谷口直之さんの作品。「大谷石を釉薬と粘土に融合させて新たな焼き物の可能性を探求している」と説明書きにあった。

竹細工に見える部分も陶器、瓢箪型のドッシリとした存在感のある一輪挿しだ。

メトロポリタン美術館展ー西洋絵画の500年

4月28日木曜日、連休前の平日、国立新美術館を訪ねた。予約制のため混雑はそれほどでもなく、各名画の前でじっくり鑑賞できた。

ハエの聖母子、
クリヴェリ、1430〜1495

ルネッサンス時代の精密画は正面よりすこし外れた位置から見ると、より生き生きしてくる。インパクトが強い名画が多くあり、全65点でもゆうに2時間はかかった。

Dancer, Pink and Green,1890
エドガー・ドガ

ルネッサンスの作品の中では舞台演劇で見ているような構図が目を惹いた。衣装、インテリア、微妙な表情、ストーリー。いちばん印象的だったのは、カラバッジョの作品だ。作者自身(右から二番目)の自画像がこちらをみつめている。420年前のカラヴァッジョの視線だ。

音楽家たち,1597
 カラヴァッジョ

マザーレイク琵琶湖

琵琶湖は約440万年前、現在の三重県から流れてきたと言われている。世界で三番目に古い「古代湖」だそうだ。固有種を多く持つ。

湖に流入する水は460本の周辺の川から入る。一方出て行く流れは、瀬田川、宇治川から、淀川、桂川に続き、大阪湾へと流れ出る。貯水量は黒部ダムの130倍、降水量によって瀬田川洗堰で調整、治水されている。

白鬚神社、彦根城の対岸

湖上に浮かぶ白鬚神社の大鳥居。近江最古の大社だ。延命長寿、長生きの神様で、祭神は猿田彦命。豊臣秀頼が片桐且元を奉行として造営した。対岸は彦根市で彦根城と見合っている位置だ。

長浜港近辺
びわ湖大橋と白浜、
  米プラザから眺める

面積は東京23区が丸ごと入るくらいの大きさ、670平方キロメートル、周囲は235キロメートル。東京から名古屋までの距離で、一周のサイクリングは1泊2日はかかるらしい。

次回は県立琵琶湖博物館も訪ねてみたい。

国宝彦根城天守

国宝彦根城天守

4月3日、小雨が降っていたが、春休み、日曜日とあって天守閣の内部見学は30分待ちだ。60度傾斜の階段はかなりきつかった。

ガイドさんの説明で、印象的だったのは、全体は三層の屋根、その中で屋根の数は18、花頭窓も18だそうだ。この窓は、本来寺院建築に使われる窓で曲線が美しい。

国宝天守は、他に姫路、松本、犬山、松江の4ヶ所にある。

 

玄宮楽々園と遠景の彦根城

多くの観光客を避け、城内部見学のあとはすぐに広々とした国名勝の玄宮園に向かった。江戸時代1677年に築造された広大な自然豊かな、回遊式庭園。

近江八幡市、日牟禮八幡宮

近江八幡の城下町は、商人町として発展し、近江商人を育てた。日牟禮八幡宮は湖国の地、そして近江商人の守護神として、広く崇敬されている。

比叡山延暦寺

4月4日も朝から快晴、坂本駅からケーブルに乗って、比叡山延暦寺を目指した。坂本ケーブルカーは昭和2年開業、日本最長約2キロのレールを11分で移動する。大正時代の駅舎、多くの橋、長いトンネルが楽しめる。

琵琶湖の朝、8時、
Pホテルからの眺め

比叡山延暦寺は日本仏教の総合大学、新しい諸宗派の高僧が学んだ五山の一つだ。延暦寺は比叡山に建つ百近い寺の総称。

延暦寺駅から根本中堂へ続く道
平成の万拝堂、本尊千手観音像
大数珠を左へ回して平和祈願

この日はガイドさんも初めてという「延暦寺御修法(みしほ)大法」の初日、4月4日で、特別の旗が根本中堂の入り口になびいていた。延暦寺の年中行事で最も重要な法儀で7日間続く。

根本中堂に幕で仕切った内道場を設け、天皇陛下の御衣を奉安する。祈願は、玉体安穏、国土安穏、自然災害の被災者の安寧と地域繁栄のために行われる。17名の碩徳高僧によって奉修される。

延暦寺の大講堂

大事な延暦寺御修法(みしほ)の初日に参拝させて頂いた。

伝教大師最澄、
788年に根本中堂を創建

竹生島神社、琵琶湖の湖上の聖地

いつかは訪ねたいと思っていた。琵琶湖と竹生島(ちくぶしま)。
4月5日のグループツアー3日目、長浜港からフェリーで島を目指した。乗船時間は30分。

波穏やか、琵琶湖北の竹生島

前日は冷たい強風で一抹の心配があったが、この日は朝から快晴、風も波も穏やかだった。

竹生島神社、石の鳥居

着岸するとすぐに165の石段が続く。島全体は一枚岩の花崗岩だそうだ。階段を登りきると宝厳寺が迎えてくれる。本堂には大弁財天が祀られている。724年、聖武天皇の勅命を受け、行基が開眼した最古の弁財天だ。

宝厳寺、日本最古の大弁財天

国宝の唐門は大阪城極楽橋の遺構。
豊臣秀頼の命を受けてこの島に渡ってきた。建物は、美しく修復され飾り金具も絢爛豪華だ。正面に私の好きなウサギが3羽、横に連なって戯れている。

帰宅してから唐門前で撮った写真を改めて見ると、空が輝き、屋根から光が降り注いでいた。

国宝唐門と光

長浜港への帰路のフェリーでは2階のデッキに出た。雪を山頂に残す山々を眺めながら、気分爽快だった。

琵琶湖と残雪の連山

水陸両用バス、スカイダックに乗ってお花見

3月31日、以前から気になっていたみなとみらいのスカイダックに乗船体験した。曇りだったが気温は21度。

水陸両用バス、スカイダック

3時30分の便に予約した。満席で出航。
海上は思ったより、風が強く、波も荒かった。
前方の席はしぶきがかかるポイントもあった。

船上から眺める桜並木

さくら吹雪も起こり、地面にピンク色の絨毯が出来始めるのが見えた。

満開の桜とインターコンチネンタルホテル
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