国宝の寺、浄土寺(真言宗泉涌寺派)④

旅の最終日は、石畳を歩く古寺巡りでゆっくり散策することにした。多くの寺院の中、観光案内所で勧められた浄土寺を目指した。

浄土寺山門、南北朝時代、重文

浄土寺は尾道駅からいちばん奥、瑠璃山を背景に尾道水道を眺める場所にある。616年の飛鳥時代、聖徳太子が開基したと伝えられている。

多宝塔、鎌倉時代、国宝

参詣者は二人だけ、建物の中は入場料300円で方丈を見学できる。入り口にはNHKのブラタモリがロケに訪れたことを紹介している。古い台所や襖絵の座敷、庭園と廻った。

浄土寺の襖絵


当寺は江戸時代、京都にある皇室の菩提所、泉涌寺の末寺となり、大本山として1400年の法燈を継承している名刹だ。
私と友人は、京都の泉涌寺は2年前の秋に訪れておりすぐに思い出した。

浄土寺方丈、中庭

同じ泉涌派に属する鎌倉の覚園寺は住職も当然ご存知だ。
友人が「家の菩提寺は泉涌寺派の鎌倉覚園寺です」とご住職に伝えると「泉涌寺派は全国でも少ない、これがご縁と言うものでしょう」とコメントしていた。

御朱印、聖徳太子の南無仏太子像

尾道港からフェリーで生口島へ ③

7月11日、朝9時15分、ホテル前の尾道港から、生口島の瀬戸田(沢港)に向けてシトラス号は出航した。待ち人がいない島は、汽笛を鳴らして通過する。向島、因島を経て約40分。レモンの島、生口島(いくちじま)に到着した。

尾道←→瀬戸田を運行する
シトラス号
朝の瀬戸田港

沢港前のレンタサイクル店で2台の3段ギアの黄色い自転車を借りた。ルートは地面に塗られたブルーラインに沿って走るので迷わない。

サンセットビーチ近く、生口島

ビューポイントのサンセットビーチまで海風の中進んだ。
ここで折り返し、風の少ない港方向に進み、港近くの平山郁夫美術館を訪ねることにした。陽射しが強いので、こまめに休憩をとった。

平山郁夫画伯の出身地である瀬戸田。若い頃の作品に目を惹かれた。昭和時代の地元の様子を描いた油彩画も珍しい。

路地、瀬戸田町 1952年
白壁の家
昭和20年代のタバコ生産の農家

建物や庭園も和風。手入れと愛情が行き届いている清々しいスペースだった。改めて平山郁夫画伯と奥様の歩んで来られた道を考えた。旅から戻り、芸大時代の平山美知子作品集をオンラインで購入した。

天かける白い橋、2000年
 しまなみ海道、今治市〰︎大島間の最後に完成した橋

帰りは4時30分の尾道駅行きの定期バスを利用した。しまなみ海道を60分ほどかけて各駅停車で走り抜けた。

一年を通して牡蠣が食べられる
尾道WHARF(ワーフ)

夕食は気になっていた牡蠣のレストラン。ホテルと同じ建物の港を臨む1階にある尾道ワーフ。店内が賑やかに混んでいたので美味に違いない。広島最後の夕食タイムも旅情を満喫した。

尾道、瀬戸内海を見守る千光寺 ②

宮島の雨は午前中も本降り。10時前にホテルをチェックアウトして、次の宿泊地の尾道へ向かった。

山陽本線で宮島口から尾道まで2時間6分、途中糸崎で乗り換えて、12時26分に尾道駅に無事到着した。

ホテルは駅から徒歩5分の港に面している便利な位置にある。駅前にはパン屋さんや百貨店があった。荷物を預けて、午後はロープウェイに乗って千光寺公園を訪ねることにした。天気は回復している。

券売り場ではじめにロープウェイで山頂の公園まで上り、帰りは下山しながらお寺をお詣りするコースを勧められた。

千光寺公園から臨む尾道港

 

千光寺は大宝山中腹の標高140メートルに位置している。
平安時代初期806年創建の真言宗のお寺で、本堂が舞台造りになっている。

境内に巨岩「玉の石」があった。由来は昔、岩の上に光る玉があり、その光が夜遠くの海上を照らしていたと言う。

千光寺朱塗り本堂左手の巨岩

夕方5時過ぎにホテルに戻った。海風が心地よく、波止場の散歩道を歩くと、犬の散歩中の地元の人々とすれ違う。

グリーンヒルホテルの部屋から見渡せる港の船

翌日のサイクリングに備えて、帽子を探しに駅近くの百貨店に行った。ホテルのロケーションは最高だ。

雨ふたたびの厳島神社 ①

7月9日、新幹線で3泊の広島の旅に出た。
1日目は大雨注意報の出ている西日本に向かうことになった。新幹線は50分遅れ、広島駅から宮島口までのJR在来線も不通になった。残る交通手段は路面電車、所要時間は1時間15分だった。

前回は日帰りだったが、今回は宮島に1泊した。
雨の中、送迎バスでホテルに到着した。
夜8時30分からのライトアップの厳島神社を訪ねるツアーが始まると雨は止み、大鳥居の下まで歩くことができた。ツアー終わりの頃また雨が降り出した。

夜9時頃、干潮の神社回廊
ライトアップされた干潮時の大鳥居、高さ16.6メートル

ホテルの早朝ガイドツアーにも参加した。
7時から1時間ほど近くの山道を散策した。傘をさしながらでも美しい緑を楽しむことができた。花崗岩が粘着質の真砂になっている。白っぽい地面のおかげで雨天でも明るい気がする。

大鳥居の木材にもなっているクスノキ、1メートルに育った
ロープウェイ入り口
ゆっくり歩いて8分

晴れていれば目的地だった弥山(みせん)伽藍。
そこへ登るロープウェイの入り口。秋は紅葉が美しいベストシーズンらしい。紅葉は葉っぱの小振りなイロハモミジという種類だ。

宮島のイロハモミジ
早朝、静寂な神社回廊

ツアーの最後、ホテル隣りの車庫に可愛い鹿が待っていた。
島の人口1500人に対し、鹿は500頭ほどもいるそうだ。

宮島の鹿、低木枝先の葉や
雑草、紙類を食べる

横浜イングリッシュガーデン、6月30日

横浜イングリッシュガーデンに恒例、6月の花々鑑賞のため訪れた。
梅雨の合間の曇り空の下で、アジサイの他にも色彩が映える花々があった。

入り口前のアーケード

アーケードはいつも季節にあった飾り付けがほどこされている。今回は、たくさんのかざぐるまと風鈴。風も程よく通り抜け、チリンチリンと一斉に鳴ったり、止んだり。自然のリズムを楽しんだ。

ゴールデンカサブランカ

ゴージャスな百合の群生。黄金色のカサブランカと聞いて納得した。香りも強い。

曇りの日にひときわ映えていたあざやかな百日草。

一面アジサイのコーナー

花火のように咲いている多種のアジサイ。
毎年新しい品種に出会えるのも楽しみだ。

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