国東半島を巡る歴史散歩 ③

三日目は出発9時、大分空港に5時発の飛行機で帰路に着く。この日は猛暑日、お寺神社へ上る階段が試練だ。

最初は国東半島中央に位置する、721メートル両子(ふたご)山中腹に創建された天台宗別格本山の両子寺(ふたごじ)。

国東半島の最高峰両子山 6/28/2025
足曳山両子寺(ふたごじ)
千手観音像、御手は40本

二番目に訪れた寺は、両子寺から西に向かって30分、国宝の富貴寺。九州最古の和様建築物で、総榧(かや)の木造り、簡素な形、優美な屋根の線を持つ。
仏教徒を極楽へ導く阿弥陀如来座像を祀る。御本尊、壁画は撮影禁止だった。

富貴寺大堂(蕗寺) 平安後期

屋根の弧を描くデザインは、仏教の神聖な生き物、鳳凰を象徴している。御本尊を祀る本堂の中で住職から寺の縁起の話があった。

御朱印受付近くで参拝者を出迎えてくれる猫サバオ
住み付いて3年、哲学者風のネコ
毛皮模様が確かにサバ柄

さらに西に進み、全国四万社あまりある八幡様の総本宮である宇佐神宮へお参り。
境内の広さは約15万坪、私たちは国宝の宇佐神宮本宮でお参りの方法を習う。手水舎で手を清め、一之御殿、ニノ御殿、三之御殿と進む。それぞれに二礼四拍手一礼をする。(他の神社は二拍手)

八幡総本宮 宇佐神宮
 御鎮座1300年

国東半島の歴史的建造物や仏像は、地元の人々の強い信仰心に支えられて継承され今があると感じた。

国東半島を巡る歴史散歩 ②

昨夜宿泊した亀の井ホテルは、別府温泉を全国に広めた功績者、油屋熊八が創業者だ。二日目は別府の血の池地獄からスタート。

大分県の鬼は福を呼ぶ 👹 6/27/2025

バスで30分移動、次に訪れたのは別府湯の里。江戸時代から温泉の素「薬用 湯の花」を製造している。

湯の花小屋が建ち並ぶ

今回の旅に参加した理由は60を超える平安・鎌倉時代の臼杵(うすき)石仏群を見学すること。30年以上前友人から大分県に磨崖仏がたくさんあって驚いた話を聞いた。

野ざらしだった石仏群、今は立派な屋根の下に保護されており、多くは、国宝に指定されている。それでも完全な形の姿は少ない。

大日如来坐像 平安後期
阿弥陀如来坐像
伝釈迦如来坐像、右
大日如来坐像、中央
阿弥陀如来坐像、左
伝薬師如来坐像
不動明王、金剛力士の右側

 

湯布院に着いたのは4時過ぎ。金鱗湖の中に立つ鳥居の上に鵜が停まっていた。珍しい。

金鱗湖、湯布院

国東半島を巡る三日間の歴史散歩 ①

6月26日から2泊3日、空路で羽田〜大分空港から国東半島へ渡った。天気は梅雨明けの前にも関わらず、陽射しは夏の強さだ。

1日目は午後からの観光で、福澤諭吉の生家がある中津市に位置する青の洞門と耶馬溪を散策した。

禅海和尚、手掘り洞門を掘る

青の洞門は明治時代に日本で最初の牛馬や人の通行有料道路となった。禅海和尚をモチーフに菊池寛が短編小説「恩讐の彼方に」を発表した。昔、読んで心洗われたことを思い出した。

青の洞門、6/26/2025

耶馬溪のある競秀峰は福澤諭吉が私財を投じて買い取った土地にある絶景地。江戸の儒学者頼山陽が「耶馬溪山天下無」と詠み、日本三大奇勝地の一つに数えられる。

展望台から一目八景、耶馬溪

耶馬溪は紅葉の頃は赤く染まる。今回は新緑を過ぎた緑色。
橋の下に見える周辺の川縁は岩や苔類が美しい。

耶馬溪 6/26/2025

紫陽花見事:6月14日 @ YEG

前回の横浜イングリッシュガーデンの紫陽花フェスティバルから2週間。
もっと咲きそろい、色も変化しているにちがいない。
6月14日土曜日、再び小雨がぱらつく中、姉と来園。

6/14/2025
6/14/2025
6/15/2025
6/14/2025
6/14/2025
6/15/2025

説明する必要もない。只々美しく咲き誇っていた。

ミロ展:東京都美術館

「カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち」
  1940、水彩、グアッシュ

6月4日平日曇り、この日は上野の森の都美術館を姉と姪三人でブラブラ美術鑑賞。

はじめに最終日の「手工芸作品展」の会場を訪ねた。見ごたえがある細かい作業を要する作品群でびっくりの連続だった。

よみうり文化賞入選
「朝の散歩」 田澤恵子

シャドウボックスという飛び出す絵本のようなカテゴリー。部分的に立体スリーデイになっている。

いちばんの印象に残った作品が「朝の散歩」。水道蛇口から流れる水も立体になっていた。

 

giant hornbillに餌を与えるミロ、ロンドン動物園

ミロはスペインのバルセロナ出身。1893〜1983、90歳で他界した。子供の頃、農場で遊んだ生き物たちの記憶が作品に影響している。後にパリに住み、シュルレアリストのグループと交流を持つ。

太陽の前の人物、1968

1968年、「太陽の前の人物」
ミロの造形言語の集大成のひとつ。日本の禅僧仙厓が丸、三角、四角で宇宙を表現した作品とも関連がある。黒色だけ使った日本の書道にも影響された作品もあった。

逃避する少女 1967
バルセロナ庭園

上の作品は会場で販売の子供向け絵本「Miro’s
magic animals」に掲載されていた。

足の大きな農場の女は、しっかりと大地に足を着き、空高くジャンプできそうだ。猫は暖かいストーブのそばがお気に入りで動かないのだろう。

「恋人たちに未知の世界を明かす美しい鳥」 1941

今回ネット検索で懐かしいミロの作品と再会した。
以前住んでいたマンションに飾っていた上のミロの作品。

幼かった姪が「ライオンさんのお化け、見たい」と気に入っていた。30年以上前のことを思い出した。

色とりどりのアジサイの季節

YEG通信のアジサイフェスティバルの記事を見た。

「色の変化が楽しめるアジサイ、何度でも足を運んで季節の移り変わりを感じて下さい」

このメッセージに誘われて、日曜日の夕方、一回目の開花状況を見に行った。

6/1/2025
6/1/2025
6/1/2025
6/1/2025
6/1/202

俳句遊び

最近議論する機会が何回かあり、論客は話が長かった。
そのストレスからか、短い五七五の自由律俳句の創作を思い立った。第一句目がその時の句だ。俳句は全くの初心者だが、自己流なのが楽しい。

① 彼を立て 風向き変わる たのしさよ

②   ジローラモ 米を刈り入れ 楽しむ日本

③   上野にて 風に吹かれて リセットし

④   振り返り ほどほどの道 このうえなし

⑤   いわないよ 別れのことば ありがとう

四番目、五番目の句は、今週母の七回忌を迎え、当人を代弁して詠んでみた。

5/25/2022 H.Tanaka

第三番目の句は知り合いの画家の展覧会鑑賞後、この句をメールで送ったら、思いがけず返信に俳句があった。

ー 上野にて なつかしき友 青葉映ゆ

浜離宮恩賜庭園:徳川将軍の別邸、歴史散歩

5月8日木曜日、新橋駅前のSL広場に集合、約20名のグループは、中島リーダーに続き、徒歩3時間半の東京探検スタート。

浜離宮の全体絵地図

約300年前、六代将軍徳川家宣が庭園大改修した時、記念の松を植えたと言われている。力強く横に伸び続けている。

300年の松
鴨猟に用いた鴨場、2箇所ある
浜離宮 5/8/2025

庭園は東京都の文化財九つの中に入っており、さすがに行き届いた手入れが美しく、しかも茶屋の復元など次々に整えている。大都会の中の25万平米の庭園は貴重で嬉しい。

史実に基づき復元された茶屋が4箇所

最終目的地、波除け神社を経て築地本願寺に辿り着いた。

波除け神社、築地

築地場外市場の奥まったところにこじんまりと波除け神社があった。厄除け、商売繁盛の神社で我が家も代々築地にお世話になっている。感謝を捧げ、家族の健康を祈願した。

改修中の築地本願寺 5/2025

正面に有名な江戸琳派の酒井抱一の墓石と出会った。気持ちの良いはっきりした色彩の植物絵が素晴らしい日本画家の一人だ。37歳で西本願寺に出家し、浅草に移住してきた。

酒井抱一の墓
(1761〜1828)

母の日の横浜イングリッシュガーデン

5月11日、朝から穏やかな快晴でそよ風少々。
パーフェクト。混雑していても満開のバラと香りが待っている。いざ出かけよう。

5/11/2025 ①
5/11/2025 ②
5/11/2025 ③

今年はフリルの多い八重咲の品種が目についた。
庭園全体の計算されたセンスの良い色取りも広がり、ブーケの花束に包まれているようだ。

来園者があふれていた陽射しの中、友人同士、家族連れ、カップルなど驚嘆の声をあげ、楽しそうに過ごしていた。
一人で来場している私も思わずその場で友人等にライヴ発信した。

5/11/2025 ④
5/11/2025 ⑤
5/11/2025 ⑥

帰り道の途中、横浜駅東西通路の花屋の前で長蛇の列。男女を問わず、若者たちが母の日のギフト用に花を求めて並んでいる。

近頃、花を愛でる人が増えているよう。
小さな平和を感じる。

みちのく三大桜:③ 青森県の桜、弘前城など

三日目は午前中は雨天の中、鶴の舞橋を訪ね、その後、津軽鉄道「走れメロス」号に乗車する頃はほとんど止んでいた。

小雨にけぶる鶴の舞橋、
木製太鼓橋と背景に薄く岩木山 4/23/2025
晴れていれば、岩木山を背景に風流な和景色が広がる。(公園内の案内図より)

 

芦野公園駅ホームから眺める線路沿いの桜並木

走れメロス号、二両編成の団体専用列車にゆったりと25分の乗車、津軽五所川原駅に着く。

 

お城近くで昼食の場所探し

弘前公園に到着した頃は時々陽がさしてきた。弘前城近くのベンチに座って予約しておいた鶏めし弁当を頂いた。お城を背に視界180度に広がるソメイヨシノや枝垂れ桜を観ながら頂く、夢のような環境の中でランチタイムだ。

推定樹齢100年以上。
弘前公園最長寿のソメイヨシノ(明治15年/1882年)

弘前城展望デッキに上ったあと、午後2時5分、観光舟が運行するところに出会った。中国からのグループと同乗。ガイドさんは津軽の歌、お囃子などを紹介していた。午前中は欠航だった観光舟、運良く出航時に間に合い、水上からのお花見を体験した。

中濠観光舟、4/23/2025

ピークシーズンだったが混雑もそれほど気にならず、日本の桜の名所を心ゆくまで満喫した。人々が桜を想う伝統に、改めて日本人としてのアイデンティティを感じた。

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