夕方5時過ぎに北野天満宮に向かった。
947年、ご神託により、平安京の北西「天門」に位置する聖地北野に創建された。菅原道真公(天神様)をお祀りした全国天満宮の総本山だ。


境内の紅葉苑は昔、紙漉き場であった紙屋川に沿った低い位置にある。ー水防のために築かれた土塁の御土居(おどい)は史跡として残っている。

これまで体験したこと、今の生活を、ちさと姿の見えないタモツさんが語った言葉をつづります。
夕方5時過ぎに北野天満宮に向かった。
947年、ご神託により、平安京の北西「天門」に位置する聖地北野に創建された。菅原道真公(天神様)をお祀りした全国天満宮の総本山だ。
境内の紅葉苑は昔、紙漉き場であった紙屋川に沿った低い位置にある。ー水防のために築かれた土塁の御土居(おどい)は史跡として残っている。
昨年隈研吾がデザインした木材を多く使ったエースホテルの見学を兼ねて昼食タイム。ホテル2階でタコスの軽食を頂いた。
午後は永観堂禅林寺と北野天満宮の紅葉苑のライトアップを訪ねた。
永観堂はみかえり阿弥陀、龍のように曲がってつくられた臥龍廊、回廊に迫る岩垣紅葉などで有名。参拝客も列をなしていた。
午前中、次に向かったのはくろ谷の金戒光明寺だ。
地元の知人、イチ推しの今回初めて耳にした浄土宗大本山。この旅の間でいちばん印象に残った。
紫雲山そばにあり、1175年に法然上人が最初の念仏道場を開かれた。
庭の散策中に楽しい発見がある。石の道に小さな花模様や亀を見つけた。池や橋や曲がくねった古道、背の低いススキも陽光の中で風にたなびいていた。
旅の2日目は、4箇所の寺院を巡ることにした。
朝一番に訪ねたのは、泉涌寺(せんにゅうじ)。
友人の家の菩提寺である鎌倉の覚園寺は、真言宗泉涌寺派のお寺だ。
今回、住職が時々訪ねるという同派の泉涌寺を参拝に行きたい。
9時過ぎにタクシーは到着、参拝者はこれから多くなるのだろう。
石砂利の参道の先にある静寂な門が私たちを迎えてくれた。
泉涌寺で興味を惹かれたのは、歴代皇室のお位牌、御陵がある霊明殿(非公開)。火葬場も有しているそうだ。また、入り口近くに楊貴妃観音像が祭られてある。
元来は覚園寺とともに、北京系律の本拠地であり、道場であった。
たくさんの側面を持つ泉涌寺、また訪れたい寺院だ。
京都の紅葉シーズンは憧れるが混雑は苦手。
今年は友人に誘われた。古希記念を祝って2泊3日の旅に出た。宿泊先は駅からタクシーで5分の東急ホテルだ。
初日の11月28日は日曜日だ。あえて混雑を避けて昼食後、京都国立博物館からスタートした。能楽から茶の湯、琳派の名品が展示されていた。
快晴で暖かい。通天橋からの紅葉が有名な東福寺をゆっくりと巡ることにした。
地下鉄の竹橋駅、丸紅ギャラリーに寄ったあと、皇居お堀端を歩いていると、急に平川門が現れた。
庭が呼んでいる。皇居内を散歩することにした。護衛さんが手荷物を調べた。園内は無料だ。
伐採、剪定のトラックが駐車して木々の手入れ作業中。
力強い1本の松に目を奪われた。初めは地面にほぼ平行に伸び、それから空に向かって直角に高く育っている。留まる力が凄い。
大芝生は2年前の令和元年11月、天皇陛下の御即位後の大嘗祭が執り行われた芝生地だ。右に天守台の石垣が見える。
大手門付近の大きな石垣は威厳を保ち、圧倒される。石の色彩も形も美しい。
急な予定キャンセルがあり、一日空いた。
スマホの中のおでかけファイルをチェックして、表参道駅近くの根津美術館を訪ねることにした。予約が必要で当日午後2時の枠で取れた。
11月3日からの「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」特別展。酒井抱一の高弟子で両画家の作品には即、心が癒される。線がはっきりして現代的デザイン性。霊性の高さが伝わってくる。
ゆったりした展示方法で仏像や中国古美術、書画の展示数は多すぎず丁寧に鑑賞した。
根津美術館は東洋美術品7400点を収蔵し、広大な庭には茶室や石の置物を楽しみながら散策できるコースがある。
旅の3日目は月山と湯殿山を訪ねた。
バスで標高1984メートルの月山8合目まで行った。ドライブ中、狭い山道を窓越しに、きれいな紅葉ブッシュを近くで眺められる。対向車が来ると時間がかかるが、天候はガスっており車は少ない。山の上に登るに従って木々の丈は低くなり、カエデ、ナナカマド、ヤマブドウ、ブナなどが色付いている。
弥陀ヶ原散策は数名の人がレストハウスに残った。私もかなり雨と風、ガスや寒さを理由にパス。
次の目的地は湯殿山本宮。
といっても神社の社殿はなく、境内でお祓いを受ける。そのあと御神体の巨大な岩を登るのだ。月山が黄泉の国なら、湯殿山は未来に向かって生まれ変わる霊場と言われている。
詳しい知識がないまま訪れたが、古希を記念するのにこれ以上の場所はないと思われた。
2日目、午前中は天気が良く、酒田市の北、日本海側に近い鳥海国定公園をドライブした。紅葉が始まっている鳥海山2箇所の大きな滝を訪ねた。出羽富士とも呼ばれる鳥海山は2,236mの活火山。
「法体の滝」は鳥海山から流れた一枚の溶岩が創った名瀑だ。山に対面した場所にあるのが珍しいそうだ。高さは約57m。この地を訪れた弘法大師が滝の前で「法体」と名乗る老人に出会った。「この滝に行をなす不動明王である」と説明したことが、滝の名前の由来だ。
次に向かったのは「元滝伏流水」の滝。
ここも鳥海山の湧き水。最近行きたいと思っていた奥入瀬を思い出す景観と優美な水の流れは期待以上だった。
万年雪の溶け水をボトリングした「鳥海山の氷河水」もおいしかった。
午後からは雲が広がり、やっと鳥海山の姿が車窓から眺めることができた。
10月4日から2泊3日で山形県、秋田県の出羽三山を訪ねた。東北地方の山中の由緒ある神社にお参りして古希の気持ちを意識するのが目的だ。
安全安心、知識を求めて今回も旅行会社のツアーに参加。25名の参加者と盛況だ。一人参加も多かった。
初めに新幹線で米沢駅に行き、あとはバスで移動。
1日目は地元ガイドさんもビックリの31度の快晴。3つの山のうち一番低い414メートルの羽黒山を訪ねた。
杉林に囲まれ、国宝の五重塔は隋神門から300mの場所にスクっと現れた。
平将門が1400年前に創建し、600年前に再建された。素木造りで自然素材が珍しい。「やっと無事に訪れることができました」など話しかけた後、振り向くと灯籠が笑っているように見えた。
山のきれいな空気をいっぱい取込みながら、石段を登った。ほどなくすると豪華な三神合祭殿に着いた。冬は雪深く閉山になるが、羽黒山だけは年中お参り可能。この神社に羽黒山、月山、湯殿山の神様を祀っており、ここ1箇所で三山まとめてお参りしたことにもなる。
現在の社殿は1818年、江戸時代に再建された。厚み2.1メートルの茅葺き屋根が美しく見事だ。