桜の便り

今日は朝から青空。風もなく穏やかだ。
昨日は雨、今日は快晴。ベランダで洗濯物を干し終わった時、さっと白いものが私の目の前に現れ、ふわりと落ちた。桜の花がヒトヒラ足元にある。
なぜ、ここに? 風もなく、近くに桜の木もない。ここは5階だ。すぐにわかった。母からの合図だ。

母は令和元年の5月に息を引き取った。その後、私の心の中で共に生きている。母が姿を変えた2日後。用事で近所で開業している母の主治医だった医者を訪ねた。すると歩道の左側から大きなアゲハ蝶が現れ、楽しげにずっとついて来るのだ。こんな親しげなアゲハ蝶は初めてだ。

蝶々と言えば、お墓参りでお墓近くに出てきたり、道案内するように近くを飛んだりする。故人が蝶々に姿を変えている。そんな言い伝えを思い出した。

モンシロチョウはよく見かけるが、その時は美しいアゲハ蝶だった。母が手を振っている。心細かった私に、大丈夫、と一緒に散歩してくれた。
しばらくしてそう気づいた。

桜の花びらを眺めながら、あのアゲハ蝶を思い出し、朝のひとときを過ごした。母からの桜の便りだ。この大事な便りはすぐに写真に収めた。

ベランダに届いた桜の便り

 

 

新年度始まる

4月1日。また巡ってきた。
今年はいつもと空気が違う。
垂れ込めている。人々の気持ちに加えて、今日は雨模様。

規則正しく動ける人は幸いだ。
不規則になっている人は災難だ。

その中でできること。
目を閉じて楽しいことを考えよう。

いつもスマホを見ている人、
ネットの中も空気が淀んでいる。
ニュースはコロナウイルスに占められている。

いつもと違う社会。
不安が勝っている。

こわいのは不安の感情そのもの。
不安から目をそらして、
目を閉じて楽しいことを考えよう。

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